2017年1月20日更新

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性同一性障害の結婚、戸籍の性別変更以外の壁とは

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熊野海斗

熊野海斗

戸籍変更・SRS(内摘・尿道延長)済の30代FTMゲイです。トランスとしての体験談に加え、FTMゲイという観点から、性指向の問題についても執筆していこうかと思います。

性同一性障害の当事者が結婚したいと考えた場合、どうすればいいのでしょうか。その答えを簡単に言うと、「戸籍の性別変更をしてください」です。

しかし、これはあまりに乱暴で、あまり意味がない回答でしょう。なぜなら、戸籍の性別変更ができる人は、すでに済ませているか、その準備を進めていると思うからです。そして、そのような方は、戸籍の性別変更をすれば、異性と結婚できることなど知っていますよね。

問題は、「戸籍の性別変更をしてください」では、解決ができない当事者です。それは、どういったケースでしょうか。

1、戸籍の性別変更をしない/できない場合

戸籍の性別変更の条件として、SRSが含まれています。

しかし、この手術を受けることが不可能、もしくは困難な人もいます。手術なので、当然身体に負担を与えます。健康上の問題で、手術が受けられなければ、戸籍の性別は変えられません。

また、この手術が保険適用ではない上、受けられる病院が少ないなど、簡単には受けられない現状があります。

 

もう一つには、手術を受けたくないという本人の希望がある場合です。

手術をしなくても、満足した生活が送れているなら、高額で体に負担をかけ、危険も伴う手術をわざわざ受ける必要性がありません。

また、トランスジェンダーという枠組みには、明確に「男」「女」という性自認を持っていない人も含まれます。女であることは嫌だけど、男になりたいわけではない、など。そういった場合、手術を受けることに必要性を感じないばかりか、手術を受けるのは嫌だという感覚もあり得ます。

このように、戸籍の性別変更ができない、しないという状況においては、異性のパートナー(法律上の同性)との結婚は、現状の制度では不可能で、同性婚の制度が必要になってきます。

2、FTMゲイ、MTFレズビアンの場合

戸籍の性別変更をしたGIDの人が、同性と結婚をしたいと思う場合にも、やはり同性婚が必要になります。

 

ここで、このような意見があるかもしれません。「それならば、戸籍の性別変更をしなければよいのでは?」という意見です。

たとえば、FTMで、男性と結婚がしたい場合。戸籍の性別変更をしなければ、それは可能です。法律上は男女の結婚ということになるためです。これは、実際にFTMゲイである私も周囲の人から言われたことです。

この問題は、それぞれの個人の価値観に関わる部分でしょうね。パートナーとの結婚を、何よりも重視する人なら、男女としての結婚を選ぶ人もいると思います。

私は、それよりも、男性として生きることを重視したため、戸籍変更という選択をしました。そして、たとえ男性と結婚するとしても、それはあくまで男性同士としての関係にこだわりたいのです。男女として結婚するぐらいなら、結婚しないことを選ぶ。それが私の考え方です。

おわりに

同性婚は、LGB(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル)の問題として考えられがちで、性同一性障害とは、あまり関係がないと思われている方もいます。しかし、上記のような理由から、けっして性同一性障害、トランスジェンダーとも無縁ではないといえます。

もちろん、同性婚の法制化が、今あげたトランスジェンダーの問題の、完全な解決になるかというと、そうではありません。

たとえば、戸籍の性別を変えたいのにできない、といった場合は、同性婚は単なる妥協案でしかありません。その本人が本当に必要としているのは、戸籍の性別変更、あるいはSRSなのですから。

同性婚だけでなく、同性婚以外の法律の問題、医療の問題についての取り組みも必要だといえます。

現在の社会において、結婚は、個人の幸せ、生き方を追求するうえで、重要な要素となるものです。

異性婚、同性婚、結婚しないという生き方。どのような生き方も尊重される、そんな世の中であればいいと思います。

 

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戸籍変更・SRS(内摘・尿道延長)済の30代FTMゲイです。トランスとしての体験談に加え、FTMゲイという観点から、性指向の問題についても執筆していこうかと思います。

*記事は各ライター個人の体験談や考えでありGID当事者全員の考えを表しているものではありません。
またその内容によって特定のセクシャリティーを差別するものではありません。
*治療などの医療行為は医師にご相談ください。

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