2017年2月15日更新

ニュース

29歳で自ら命を絶ったFtM同志を想う

FTMのけーとです。今日は《8年前に自ら命を絶ったFTMの方》についての記事を読んだ僕の率直な想いを書いていきます。

8年前はどんな時代だったか

僕が19歳の時です。テレビでオネエタレントが活躍しているものの、GIDやLGBTについての理解はほとんど無く、まだまだネタにされる世の中だったと思います。僕自身もカウンセリングに通い始めたのと、新社会人として世の中に飛び出していった年です。その時だって大変でした。

言うべきか言わざるべきか迷った挙句、散々迷いながらもカミングアウトして。上司には困った顔をされて、「なぜ打ち明けてきたか?」と聴かれ、うまく答えることができず、《あぁこれは自己満足でしかないのかも。雇う側にしてみたら面倒くさい奴なのかも。》と後悔したりして。

結果としては直属の上司や先輩方が理解ある方々で、とても楽しい1年目を過ごせました。(福祉職だったのでそもそも受け入れられやすいのか…?業界によって異なることなんてあるのかしら?要リサーチですね)

不当に解雇され、閉ざした心と見えなかった未来

亡くなった「優子さん」を、親しみを込めて「彼」と呼びます。彼はご自身の心が男性であると自覚しながらも、周囲に応えるかのように女性として生まれ持った体と性を受け入れようとしました。

必死の覚悟も虚しく、周囲に理解されなかった。天職と親しんだ仕事を解雇処分されて、彼に残された希望はなんだったのか。想像を絶する暗闇にいたのだろうと、書きながら目が潤んできます。

僕の今までの人生のどこかで今には辿り着かない歯車の噛み方で、彼と同じような境遇に立たされたなら、同じ選択をしただろうかと思うと、悔しくて仕方ないのです。

気づけなかったと言った母親の気持ち

GIDであるとは気づかなかったとお母さんは話されていますが、当時は情報も少ない時代です。そもそも気づくことができたでしょうか。

彼の選択は決して自己責任とは思いませんし、気づくことができなかった家族の責任ではないと思います。彼にもう少し理解ある友人や同僚がいて、どんな悩みもまずは聴いてくれて、支えてくれる存在がいたなら。

心が折れることなく、どんな生き方であれ今も生きていてくれたかも知れない。無知や無関心が、人を傷つけてしまうことがあると知るきっかけになって欲しい。彼のお母さんが言うように、みんな違ってみんないいはずなんです。

遺された僕に何ができるのか

個人的にはFTMとしてとても他人事にはできないと感じている一件です。多くの企業が勉強会を開き支援宣言をし、自治体がパートナー制度を施行するようになった現代をみて、彼はどう思うのでしょうか。「男でも女でも生き辛い」なんて言わないでくれるでしょうか。誰ももう知ることができない以上、ささやかな想像とご冥福をお祈りします。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でGIDnaviをフォローしよう!

The following two tabs change content below.
けーと

けーと

GIDの診断を受けたFTMts。現在はホルモン療法を受けている。 外資系企業にて正社員として働きながら、某NPO法人の講演補助スタッフとしても活動している。その他、独学で得た心理学の知識を元に、友人伝てに紹介のあったLGBT当事者の相談に応じ、メンタルケアを行なっている。

この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます

広告主募集 アテンダー口コミサイト

人気コラム

  • 本日
  • 週間
  • 月間
  • 殿堂

本日の人気記事

週間の人気記事

月間の人気記事

殿堂の人気記事

おすすめのコラム

新着コラム

お知らせ

カテゴリー

気に入ったらシェアお願いします

Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.