2017年5月4日更新

FTM・FTX体験談

「アライ宣言2020」アライを増やすためには?

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熊野海斗

熊野海斗

戸籍変更・SRS(内摘・尿道延長)済の30代FTMゲイです。トランスとしての体験談に加え、FTMゲイという観点から、性指向の問題についても執筆していこうかと思います。

最近、アライという言葉をよく聞くようになりましたね。
そして、「アライ宣言2020」というプロジェクトが始まりました。

日本初「アライ宣言2020」LGBT関連、新プロジェクト始動

これは、アライを増やしていく活動で、2020年までに20万人を目標とするそうです。
今回は、GID当事者の視点から、アライについて考えてみます。

 

アライって何?

まず、アライとは何かを見ていきましょう。
アライとは、「LGBTなどの支援を行う非当事者」だと、私は思っていました。
以下の記事も参考にしてください。
https://gid-navi.com/ally/
しかし「アライ宣言2020」でいうアライとは、それとはかなり違うもののようです。

アライとは、LGBTの当事者であるかどうかに関わりなく、あらゆるセクシュアリティを理解し支援するという考え方、あるいはそうした立場を明確にしている人々を指す言葉で、英語で「同盟、支援」を意味するAllyが語源です。

ここから2つのことがわかります。
1つは、「当事者であるかどうかに関わりなく」とあるので、当事者であってもアライになれること。
2つめは、「あらゆるセクシュアリティを理解し支援するという考え方」または「そうした立場」を明確にしている人を指して、アライと言うことです。

 

当事者はアライになれるの?

ここで、「当事者がアライになれるなら、当事者はみんなアライと言えるんじゃないの? だったら、有名な某電通の調査によると13人に1人がLGBTなのだから、すでに日本で20万人突破してるよね」と言う人がいるかもしれません。
しかしそうではありません。当事者でアライだと言える人は、むしろ少ないのではないかと思います。

1つは「あらゆるセクシュアリティを理解し支援」という点です。
少なくとも私は、「あらゆる」セクシュアリティは理解していませんし、支援する気もありません。
そのセクシュアリティが、犯罪的・暴力的・差別的なものであったとしたら、私は理解できないと思うし、ましてや支援はしません。そもそも、「あらゆる」セクシュアリティなら、異性愛も含むわけであって、それはまあ理解はしますが、支援をするつもりはないです。

2つめは「明確にする」という点ですね。
当事者がそういう考えを明確にしたら、必死で埋没しているのに、GIDであることがバレるかもしれません。だから私はそういう考えを明確にはしません。レインボーグッズを身につけるなど、とんでもないことです。
ですから、定義としては当事者もアライになれますが、アライになる当事者は限られているのではないかなと思います。

GID当事者から「アライ」の人たちへ

そもそも、「あらゆるセクシュアリティを理解し支援」というのは、あまりにハードルが高すぎて、20万人なんて達成できるのだろうかと心配になってしまうのですが。

それは無理でも、「LGBTの人たちを理解したい」「セクシュアルマイノリティの人たちに配慮したい」というような非当事者の方は、けっこういるのではないかと思います。そういった人で、自分が「アライ」だと思うならば、「アライ」と名乗ればいいと私は思います。

そのような人たちに向けて、一人のGID当事者として、私の意見を書いてみますね。

1つめは、「理解」「配慮」というものについて、考えてみてほしいということです。
それはどのようなものでしょうか? 「LGBTの人々」という、異常で特殊で可哀想な存在を、正常で普通の自分たちが、「理解してあげる」「受け入れてあげる」ということでしょうか。
私個人としては、特に攻撃を加えてこられるのでなければ、それでも構いません。でも「差別したくない。偏見を持ちたくない」と思っているのなら、自分を正常として疑わず相手を異常とみなすその態度は、すでに偏見を含んでいるのではないかと、考えてみるといいのではないでしょうか。

2つめは、現実に生きる当事者たちは、メディアが作ったLGBT像とも、活動家や「LGBT講師」が「LGBT研修」で語るLGBT像とも違うということです。
私はレインボーマークの付いた「LGBTトイレ」などは作ってほしくないし、同性パートナーシップも必要ないと思っているし、LGBT成人式やパレードも参加したくないし、LGBT理解増進法も差別解消法も差別禁止法もいらないと思っています。それよりGID医療の整備と、保険適用が最優先課題だと思います。
でも、GID医療などどうでもいいから、同性婚が何よりも優先される課題だと言う人もいるでしょう。GIDでなく、ゲイやレズビアンの方なら、そういう人のほうが多そうです。

つまり、個人によって、思っていることも望んでいることも苦しんでいることも違うということです。

おわりに

アライを増やす。それは何のためでしょうか。
当事者が生きやすい社会を作るためであれば、ぜひアライが増えてほしいです。
でも、「LGBT講師」や活動家、東京オリンピックや企業の利益のためのアライなら、別に増えてもらわなくても構いません。2020年が過ぎたら、アライをやめてしまうかもしれないような「アライ」であれば。
セクシュアルマイノリティであるかそうでないかに関わらず、生きやすい社会が実現すればいいと思います。

 

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戸籍変更・SRS(内摘・尿道延長)済の30代FTMゲイです。トランスとしての体験談に加え、FTMゲイという観点から、性指向の問題についても執筆していこうかと思います。

*記事は各ライター個人の体験談や考えでありGID当事者全員の考えを表しているものではありません。
またその内容によって特定のセクシャリティーを差別するものではありません。
*治療などの医療行為は医師にご相談ください。

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