2017年6月11日更新

FTM・FTX体験談

【マンガ】LGBTのカミングアウト・アウティング

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熊野海斗

熊野海斗

戸籍変更・SRS(内摘・尿道延長)済の30代FTMゲイです。トランスとしての体験談に加え、FTMゲイという観点から、性指向の問題についても執筆していこうかと思います。

GID当事者のみなさんは、カミングアウトの経験はありますか?
アウティングの経験はどうですか?
LGBTのアウティングといえば思い出すのが、一橋大学での悲しい事件ですね。
そのことについて書かれた記事があったので、今回はそれを読んで思ったことを書きます。

「一橋大学アウティング事件」の次に、LGBTのニュースで起こること

LGBTのカミングアウト

さて、LGBTのカミングアウトといっても、そこにはさまざまなものがあります。
とくに、T(トランスジェンダー)に含まれるGIDの人にとってのカミングアウトは、LGBのカミングアウトとは異なる部分があります。
そもそも、GIDのカミングアウトには、大きく分けて2種のパターンがあります。

1、性自認のカミングアウト

女性として生活していたFTMが、「性自認は男性だ」と言うような場合です。

2、出生時に割り当てられた性のカミングアウト

男性として生活しているFTMが、「元女」と言うような場合です。

2の場合、「自分を偽らないためだったり、嘘をつかずに生きられるようになるため」、または「理解者や支援者を求めているから」という理由でカミングアウトする人もいるかもしれません。
しかし、1の場合のカミングアウトは、生きるために発せざるを得なかった叫びのようなものだと、私は捉えています。
とくに子どもの場合、これを経なければ、「異性」の制服や水着を着させられ、修学旅行で「異性」の大浴場に放り込まれて、全裸にさせられます。この場合、カミングアウトは、命と精神を守るための必死のSOSだといえます。
カミングアウトする前に、「努力と準備」が必要なのだとしても、私の場合は、ただただ生き延びるのに必死で、そんなことができる状態ではなかったです。そしてGIDの多くの人が、幼稚園や小学生という幼い年齢で、苦しみや違和を抱え始めるということも無視してはならないことです。

LGBTのアウティング

GIDのアウティングについても、LGBとは異なる、そして非常に重要な点があります。
それは、GIDの場合、カミングアウトをするかしないかに関係なく、アウティングの危険があるということです。
それはつまり、男性として生活しているけど戸籍未変更のFTMが、書類などに「女」と記載されていることでアウティングにつながるような場合です。
あるいは戸籍変更済であっても、昔の知り合い、親類などによって、変更前の性別を言いふらされる恐れはつねにあります。
カミングアウトのリスクを理解し、いくら黙っていようと思っても、本人の努力では防ぎようのないことがあります。

LGBTとひとくくりにできない問題

こう見ると、カミングアウトおよびアウティングの問題は、LGBTとして一緒くたに扱うことはできない問題だとわかります。LGBと、T(GID)にとってのカミングアウト・アウティングはまったく違うのですから。
LGBTとして、最近は何でもかんでも一緒にして表記する傾向があるようです。もちろん、同じように扱っても問題のないことなら、別にそれでもいいのです。
しかし、これほど全く違うカミングアウト・アウティングの問題について、一緒にして扱うことは問題があります。
なぜならば、以上にあげたGIDならではの問題を見えなくしてしまうからです。
LGBと同様に考えるなら、GID当事者は「カミングアウトを受けた家族や友人や、受け止めようとする組織のAllyにならなければいけない」のでしょうか。死を考えるほどの苦しみでSOSを求めようとする10代(あるいはそれ以下)の子が、学校のAllyにならなければならないのでしょうか。
またアウティングについても、「誰も悪くなかった」「全ての人達がそれぞれ少しずつ、「大切なことを知らなかった」だけ」と、片づけられることになります。そのリスクを知っていて、必死にバレないように隠していた当事者が、アウティングした学校や行政、あるいは週刊誌などと同列に並べられる「知らなかったこと」は何でしょうか。
カミングアウト・アウティングについて、LGBTと一括して語ることは、GIDの問題を見えなくしていくことです。
これでは、LGBについては知りませんが、T、少なくともGIDの人は、これからも死んでいくでしょう。

おわりに

そういうわけで、講演などをいくら開いても、LGBは知りませんがGIDは救われないと私は考えます。少なくとも当事者には不要ですし、「講演を聞こう」と思って参加するような人なら、もはやその時点で問題のないAllyだと思われます。
しかし、完全に不要というわけでもないでしょう。
せっかく男となったのに、「元女」とカミングアウトして相手が驚くリアクションを見て快感を得たいといったFTMの方もいるようです。
そのような場合は、上級プロフェッショナル心理カウンセラーのプロフェッショナルな講演を聞いて、カミングアウトされる相手の心理を理解することも有効かもしれませんね。

 

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熊野海斗

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戸籍変更・SRS(内摘・尿道延長)済の30代FTMゲイです。トランスとしての体験談に加え、FTMゲイという観点から、性指向の問題についても執筆していこうかと思います。

*記事は各ライター個人の体験談や考えでありGID当事者全員の考えを表しているものではありません。
またその内容によって特定のセクシャリティーを差別するものではありません。
*治療などの医療行為は医師にご相談ください。

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