2017年2月7日更新

FTM・FTX体験談

自分はFTMであって「男」ではないのだという事実に直面する瞬間

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熊野海斗

熊野海斗

戸籍変更・SRS(内摘・尿道延長)済の30代FTMゲイです。トランスとしての体験談に加え、FTMゲイという観点から、性指向の問題についても執筆していこうかと思います。

私はホルモン・胸オペ・内摘・改名・戸籍変更を済ませています。普段も男性として生活し、もはや自分が女性であると意識することは、ほぼなくなったと言っていいでしょう。
そんな中でも時々ハッと、自分はFTMであって「男」ではないのだという事実に直面することがあります。今回はそれについて書いていきます。

1、過去の写真

昔の写真を見ると、ピンクの服を着ていたり、赤いランドセルを背負っていたり、女子の制服を着ていたりする姿が写っています。
現在の姿、未来の姿は、努力すれば変えられる可能性があります。でも、過去のことはもうどうしようもありません。そのどうしようもなさを思うと、少し凹んでしまいます。
小中学校の卒業アルバムは、もう捨ててしまいました。そんなものを見ても、気分が悪くなるばかりです。
だから自分には、小中学生時代はなかった、つまり「男の子」として過ごした時期がなかったといえます。そして、その時期はもう二度と手に入らないということです。

2、病院

私は戸籍を変えているので、今は保険証の性別も男性になっています。したがって、診察券もカルテも、男性として作られていくことになります。
歯医者とか、適当な風邪などなら、別にそれで問題はありません。
しかし、腰を痛めて整形外科に行ったとき、思ったことがあります。
レントゲンを撮る際、股間部分にプロテクターを置かれました。精巣の被ばくを防ぐためだそうです。
もちろんFTMなので精巣はないのですが……。
今回の場合、プロテクターを置かれたところで、特に体に害があるなどの問題はありません。
でも、もともとの体が女性であったこと、男性器がないことを伝えておかないと、不都合なこともあるかもしれないですよね。
たとえば、もし男性にはあり得ない病気にかかっていても、それを見落とされる危険など。
だから、いくら保険証の性別表記が変わったとしても、病院では「男」ではないことを伝えざるを得ないのだろうと思いました。

3、銭湯・温泉

これは多くの当事者が実感していることだと思います。
温泉の広告や紹介などを見るたびに、行ってみたいと思います。
でも実際に、自分から進んで行くことはありません。
温泉に行きたいのは、お湯に浸かってゆったりしたい、という思いがあるからなのですが。
この体では、ゆったりどころではないからです。
胸オペ済なら、体を隠しながら入れなくはないです。でも、タイミングを見計らって、人目に付きにくい位置はどこかを考えて……というように、とてもゆったりとは言えません。むしろ疲れます。
魅力的で行ってみたいなと思える温泉を見つけたとき、自分の「男」ではない体を実感してしまいます。

4、トイレ

これは最も頻繁に遭遇する場面です。
陰茎形成をしていない状態では、男子トイレに入っても、個室に入らざるを得ないですから。
とくに、個室が空いていないとき、個室のトイレが汚れているときはなおさらです。
大をするわけでもないのに、「男」であれば、何の問題もなく小便器が使えるのに、と思ってしまいます。

5、恋人との性的行為

私の場合はFTMゲイなので、相手は男性です。
今は恋人はいませんが、以前はゲイの男性と付き合っていました。
普段は男同士という感覚で付き合っているのですが、やはり裸になってしまうと、そこには否定できない差があります。
彼は、私の嫌がることは決して無理にしてこなかったので、安心感があったし、女性の体の部分を触られても見られても、嫌ではありませんでした。
それでも男性との性行為というのは、相手と自分の体の違いをはっきりと意識させられます。これはFTMゲイ独特の、「男」ではない自分を感じる経験でしょう。

 

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戸籍変更・SRS(内摘・尿道延長)済の30代FTMゲイです。トランスとしての体験談に加え、FTMゲイという観点から、性指向の問題についても執筆していこうかと思います。

*記事は各ライター個人の体験談や考えでありGID当事者全員の考えを表しているものではありません。
またその内容によって特定のセクシャリティーを差別するものではありません。
*治療などの医療行為は医師にご相談ください。

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