2017年1月19日更新

FTM・FTX体験談

GID当事者が埋没して生きるための4つの方法とは

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熊野海斗

熊野海斗

戸籍変更・SRS(内摘・尿道延長)済の30代FTMゲイです。トランスとしての体験談に加え、FTMゲイという観点から、性指向の問題についても執筆していこうかと思います。

今回は「埋没」というテーマについて語ります。

トランスジェンダーにおける埋没とは、自分がトランスジェンダー、GIDであることを周囲に知られずに生活することをいいます。

つまり、いわゆる「普通の」男、女として生きることです。そういった生き方を望む当事者は多いのではないでしょうか。

私は生まれたときから、同一の市内で暮らしているため、過去の自分を知っている人も周囲に多くいます。そのため完全な埋没には至っていません。

しかし、トランス後に知り合った人たち、大学や職場といった場所では、基本的に男性として、周囲に知られずに生活してきました。つまり埋没です。

どうしたら埋没して生きていけるかについて、主にFTMの場合について書いていきたいと思います。

ただし、強調したいのは、埋没すべきである、といった主張をしているのではないということです。埋没して生きるか、それとも、周りにオープンにして生きるのかという判断は、個人が決めることで、どちらもその人の生き方として尊重されるべきだと考えます。

1、環境を変える

簡単に言えば、引っ越すということです。

私が完全に埋没できていない原因として、先ほどもあげたことの一つに、過去の自分を知っている人間がいるということです。

生まれた時からずっと同じ地元で暮らしていると、小中学校時代の同級生や、親類と遭遇することもあります。カムアウトしていない、新しい友人や会社の人と会っていたところに、昔の自分を知っている人たちが悪気もなく、改名前の名前で呼びかけてくる。そんな危険もありえます。

したがって、条件が許すならば、できるだけ自分を知っている人の少ない土地へ引っ越すのがベストでしょう。

2、身体的治療

埋没という点から必要なのは、FTMの場合、第一にホルモン治療、第二に乳房切除です。SRSは、どちらかというと、次に挙げる性別変更の問題に関わってくるでしょう。

身体的変化という面から見れば、ヒゲが生えたり、声が低くなるといった効果を持つホルモン治療が、相手に男性だと認識してもらう点で大きな意味を持ちます。

続いて乳房切除です。トラシャツ(ナベシャツ)を使うのも効果的ですが、男性として生きていると、服を着替えなければならない場面もあります。その場面をどのように回避するか。そういったことを考えなくて済むので、乳房の手術をしておくと、格段に生きやすくなるといえます。

私はSRSを受けたのは最近で、それまで10年以上、ホルモンと乳房切除のみで男性として生きてきました。その経験からも、この2つがより重要な治療であると感じますし、またSRSに比べて受けるのが容易な点にも注目しておきたいです。

3、改名・性別変更

もとから中性的な名前である人以外は、名前ですぐにばれてしまうので、埋没したいなら改名は必須だといえるでしょう。

改名は、性別変更と比べ条件が緩いので、比較的簡単にできます。私は高校生の時点で行いました。詳しい条件は今回は割愛しますが、診断書と新しい名前の使用実績が1年ほど(もしくはそれより短い期間でも)あればできます。

それに対し、性別変更は、現在はSRSが条件に含まれているため、難しい方もいるでしょう。

戸籍の性別は、保険証、パスポート、選挙の投票所入場券などに記載されていたり、就職や進学の際に問題になります。あるいは結婚については、これをしていないと、異性との結婚が不可能になります。

そのため埋没を望むなら、重要度は高いものです。一方で、SRSという大きな壁が立ちはだかっているという現状があります。

4、埋没することを焦りすぎない

最後に。実際は何よりもこれが重要なのかなと思うことです。

「男であろう」とするあまりに、あまりに「男らしさ」なるものにこだわりすぎているFTMをたまに見かけます。

その「男らしさ」が、その人自身から自然に漏れ出てくるようなものであれば、それは埋没という目的に対し、プラスに働きます。しかし、明らかに無理をしているような、不自然な、したがって痛々しい「男らしさ」は、マイナスに作用すると思われます。

わかりやすい例を挙げれば、公的な、丁寧な言葉遣いの使用が常識的な場面で、「俺」といった一人称を使う、乱暴な言葉遣いをする、などです。

そのような「男らしさ」なるものは、相手に「この人は男らしい」と印象付けるのではなく、「この人は変な人だ」と思わせます。そこから、「何か普通ではない部分があるのではないか」といった疑いにつながる可能性があります。

 

したがって、焦るあまりに、変な、自分の思い込みによる「男らしさ」にこだわりすぎず、自然に、自分にとって過ごしやすいように生きることが、結局は埋没への近道だと思います。

 

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戸籍変更・SRS(内摘・尿道延長)済の30代FTMゲイです。トランスとしての体験談に加え、FTMゲイという観点から、性指向の問題についても執筆していこうかと思います。

*記事は各ライター個人の体験談や考えでありGID当事者全員の考えを表しているものではありません。
またその内容によって特定のセクシャリティーを差別するものではありません。
*治療などの医療行為は医師にご相談ください。

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