2017年2月2日更新

FTM・FTX体験談

「パス」という用語と、髭はFTMのパス度に重要かどうか考える

パスとは何か

GIDの世界には「パス」という語が存在します。
それは、望む性別で見られることを意味します。
つまりFTMなら、男性として見られること、となります。
「パス度」は、望む性別として見られる度合いです。
「僕はパス度が低いので男子トイレが使えない」
「あの人は何も治療してないらしいけど、パス度が高いね」
のように使います。
ちなみに望む性で見られずに、生まれたときの性別がバレてしまうことは「リード」と言います。

髭はFTMがパスするために便利

さて今回は、FTMのパス度における髭の重要性について考えてみましょう。
男性として見られるために重要な要素ではあるものの、変えようのない部分もあります。
骨格、身長、顔のつくりなどです。
このうち、顔のつくりは絶対に変更不可というわけではありません。整形手術というものがあるからです。
しかしただでさえ胸オペやSRSと、手術だらけのFTMの人生の中で、あえて顔の整形などをしたい人はあまりいないでしょう。
それにFTMの場合、ホルモン治療さえすれば髭が生えてきます。髭が生えていれば、丸顔であったり顔のパーツが小さい、ふっくらしている、柔和な顔つきである……等々であったとしても、男性として認識される確率は極めて高いと思われます。
「女顔」とよばれる顔の人で、髭が生えていたら、その人を「髭が生えた女性」と思うでしょうか。それとも「女性らしい顔の男性」と思うでしょうか。一般的には、男性だと思う率が高いでしょう。
そういうわけで、髭はFTMのパス度を上げるに関してとても有益です。パス度を上げるには、どうにもならない部分にこだわりすぎてもしかたないので、変えることのできる部分をできるだけ工夫することが大切でしょう。服装の工夫や、鍛えて筋肉をつけるという方法などは、治療しなくてもできますね。ホルモン治療ができるなら、髭はとても強力な要素になります。

 

パス度だけではない髭の効果

私もパス度を上げようと思い、20代の頃に髭を伸ばし始めたことがあります。
順調に伸び、どう考えてもこれは女性には見えないと鏡を見て満足していました。
ある日、道を歩いていると30代後半ぐらいの女性と、その子どもであろう幼稚園くらいの男の子と遭遇しました。
男の子はふざけて遊びながら歩いていたので、私とぶつかってしまいます。
女性は私に謝り、続いて男の子にこう言いました。
「危ないからちゃんと歩きなさい!おじさんにもきちんと謝って!」
衝突されたことより何より、「おじさん」という言葉、しかも小さい子どもではなく、30代の人に言われたこと……激しいショックを受けました。まだ20代なのに……。しかも、FTMは一般的に若く見えることが多いので、私も普段は年齢より若く見られていたのです。
私は家に帰って髭を剃り、以後、髭は伸ばしていません。
髭というのは、男性らしく見せる効果の他に、年齢を高く見せる効果もあります。

おわりに

髭は自分を表現する、一つのツールだといえるでしょう。
パス度に自信がなく、男性らしくなりたいと強く願うFTMにとっては、手っ取り早くパスできるための便利な手段です。
一方で、パスはしたいけど髭は嫌だと思う人は、必ずしもこだわらなくてもいいものです。他にもパス度を上げる手段は、いくつもあるからです。
性同一性障害に関する話題や、LGBTのイベントなどで、「自分らしく」「あるがまま」といった言葉が決まり文句のように使われています。もしそれに賛同するならば、髭に関しても、パス度に関しても、「自分らしく」を大切にするのが良いのではないでしょうか。

 

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熊野海斗

熊野海斗

戸籍変更・SRS(内摘・尿道延長)済の30代FTMゲイです。トランスとしての体験談に加え、FTMゲイという観点から、性指向の問題についても執筆していこうかと思います。

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