2017年3月24日更新

FTM・FTX体験談

性同一性障害向け保険について思うこと

GID向けの保険相談ができたようです。
私は保険に今まで入っていないのですが、その理由を挙げることによって、GIDが入れる保険の意味というものを考えてみたいと思います。

過去に保険加入を考えたとき

何年か前に、保険に入ろうと考え保険会社に問い合わせたことがあります。
そこでまず必要なのがカミングアウトです。これは手続き上、仕方がないことでしょう。しかし埋没して生きている自分にとって、初めて会ってGIDの知識もない保険会社の人に、細かく説明するのは大変でもあり苦痛でもありました。
そしてホルモン治療をしていることで、普通の保険には入れないと言われました。入れるのは緩和型という保険で、一般のものより支払いが高くなります。そしてSRSには適用されないということでした。
なので私は保険に入るのをやめ、それからずっと入っていません。

なぜ保険に入らなかったか

それは値段が高く、SRSには適用されなかったためです。
正直言って、SRSという高額負担をともなう手術を控え、それとは別に高い保険料を払う金銭的余裕はありません。
探せば、他の保険でもっと安く、SRSが適用になるものもあったかもしれません。でもそれを探そうという精神的余裕もありませんでした。
そのときはSRSもまだ済ませておらず、したがって戸籍の性別も変えておらず、その上精神疾患も抱えていました。

保険に入れるかどうかもわからないのに、何度もカミングアウトしGIDを説明するというだけの気力がわかなかったのです。

刹那的な生き方

保険というのは、将来のことを考えて、現在の負担をするものといえるでしょう。
しかしFTMとして生きてきた私にとって、そもそも将来を考えてライフプランを立てるなどということは、今までまったく経験がないものです。
子どもの頃から、将来はまったく想像もつかないもの、暗闇のようでした。結婚して普通の家庭を作るということは、自分には不可能だと思っていました。最近までGID特例法などというものもなく、昔はSRSすら手の届くものではありませんでした。
また女性として働く自分の姿は想像できず、かといって男性として働くことなどできないと思っていたので、将来の自分像は全く描けませんでした。

だから私は刹那的に、つまり目の前のことだけしか考えずに生きてきたと思います。
もちろんその生き方では、将来への不安が拭えません。その不安を消す方法は、「もし病気などになったら自殺すれば良い」と思うことです。普通は、貯蓄したり、保険に入っておこうと思うのでしょう。

しかし保険に入れない、貯めるほどのお金もない、ということになれば、半分自暴自棄のようになって「いつでも死ねばよい」と考えるしかなかったのです。そうでなければ、将来への不安で押しつぶされてしまいますからね。

さいごに

今回、GID向けの保険相談があるということで、私は少し興味を持っています。私はGIDに関する治療の他に精神疾患もあるため、入れるかどうか、金額がどうなるかはわかりません。

でも、相手がGIDについてわかってくれていることと、最初はネット上でのやりとりだということで、相談への抵抗が少ないので、とりあえず問い合わせはしてみようかなと思っています。
保険に入るということは私にとって、ただただ死へと向かっているような自分の生き方を、生の方へ向けるための一手段でもあるように思います。

注:GIDナビに広告を掲載している保険は「GID専門」の保険ではありません。保険会社の商品の中から、GIDでも入れるものを提案してもらえるというものです。詳細は以下をご覧ください。GID保険

 

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熊野海斗

熊野海斗

戸籍変更・SRS(内摘・尿道延長)済の30代FTMゲイです。トランスとしての体験談に加え、FTMゲイという観点から、性指向の問題についても執筆していこうかと思います。

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