2017年3月30日更新

MTF

MtFの私、女の子とお付き合いしたということ

The following two tabs change content below.
越谷 朋美
5月7日生まれで、のんびりな牡牛座。GIDで、MtFです。注射開始から2年経過。精神にもたくさんの障害が。でも、女の子の身体を取り戻すべく、日々奮闘治療中。いつか心と一致した身体になれると、夢見がちテイストな毎日を送っています。パス度は、無きに等しい痛い人。ブログは気が向きましたらどうぞ。→女の子なんだよっ♂→♀

今でこそ、はっきりとした性自認があって。診断書ももらい、

「MtFなんですぅ」

としている私ですが。

かつて一回だけ、女の子とお付き合いした経験があります。そのことを追ってみつつ、

「女の子とお付き合いすること、それによって私が変わったこと」

について考えていってみたいと思います。

男の子として生活していた頃の自分

振り返ってみますと。実にまあ、不器用に生きていたなあ。と言う感が拭えません。

と言うのも、私のトランス開始は遅めで、「男の子」である期間がとても長かったんです。そのため、いらない男の子時代が澱のようなものになって、記憶の中に存在していると言い切ってもいいでしょう。

 

例えば、学校生活。

GIDの皆さんは、一様に、つらく苦しい思いをした(している)とのお話しを聞いています。体育の授業にまつわるあれこれ(更衣室の問題・プールの問題などなど)、修学旅行に於いての諸問題、そして制服の問題……。

「学校」と言うコミューンの中で、自分の立ち位置をはっきりさせることは、ただでさえ難しいことであるのに、それにプラスして「自他の性別」の問題がくっついてくる。上手に渡り切ることができるかたにとっては、もしかしたら何気ないことかもしれませんが、少なくとも私には、逃げてしまうほどにムリなことでしたし。

また今現在、学校生活を送っているお友だちに聞いても、「更衣室に入れない」と言うことで、保健室を使って着替えている子もいるんです。

いずれにせよ、自分の「性」を隠し通そうとすればするほど、正比例で苦労が増していくと言えるのではないでしょうか。

自分の性別に違和感を覚えたこと

かく言う私も、遅くではありますが性別に違和感を抱いたことを、よーっく覚えています。

また、学校生活を例にしてみますが。中学生のときに、体育の時間の着替えが、恥ずかしいとかのレベルではなく、痛みとして感じるほどの苦しみでした。

 

プールの授業は、仮病を使いまくってサボっていましたし、修学旅行が目前に迫ると、本当に吐き気や腹痛が起こって、心も身体も悲鳴を上げていたんです。なんとか過ごしたことが奇跡みたいなものでしたし、よくまあ単位をもらえたなと、今となっては思います。

具体的な違和感に触れますが、

「イヤだ、ハダカになんてなりたくない。男の子と一緒に着替えるとか、拷問ですかこれって。来年(中学2年生)の修学旅行、お風呂ってどうやったら怪しまれずに、クリアできるかな……」

のような、とにかく「イヤ」の一言に尽きる感情が、発端だったと思います。

それから先も、保健体育の授業ではLGBTsに付いてなんて学習しませんでしたし、

「男はかくあるもの・女はこうあるもの」

と言った型の押しつけに、

「おかしいんだ。私がおかしいんだよ。だって、教科書にも載ってないことだし、授業で勉強してないもん」

のような、あきらめに近い感情が芽生えました。それがますます違和感を増幅させたのは、言わずもがな、かもしれませんね。

女の子とお付き合い

そんな私でしたが。いえ、「私」だったからこそ、女の子とお付き合いしたことがあるんです。

なぜかって?

これは、多くのMtFさんから聞いていることでもあるんですが、

「女の子と付き合えば、私は男の子になれる!」

と言う、確信めいた思いからなんです。結論を先に書いてしまいますが、もちろんそんなことはありませんでした。

 

あ。性的な意味も、当然含んでのことです。

性的な意味について書きますが、

「えっちいことをすれば、一人前!」

みたいな風潮って、根強くありますよね。言うなればそれに振り回されて、めっちゃ不順な動機で、お付き合いをしたんです。

 

ですが。

 

MtFで、ヘテロセクシャルなら。女の子とのえっちは、当たり前ですが難しいことです。ぶっちゃけで書いてしまうと、おちん○ん、勃たないんですよ。えっちしようとしても。

これって、思春期の男の子女の子にとっては、相当なまでに、お互いダメージを受けることですよね。今思い返しても、おバカだったなあと思います。

 

その後、彼女さんにはキチンとカミングアウトして。納得してもらえました。幸せなことだと思います。ひどい動機だったのにね……。関係としては、カレカノではなくなりましたが、その子とは今でも、仲の良いお友だち同士です。

将来、完全に女性として生きていきたいか

女の子とのお付き合いを通じて、ますます私には、

「私はどう考えても。心が女の子だよ?うーん……」

と言った感情、感覚が強く芽生えてきたんです。

 

そして、

「んじゃ。女の子として生きるしかないわな。どーすればいいかは置いといて」

 

やっと、この決意までたどり着きました。そう。遅いトランス開始です。この思いは今もって、変わることはありません。

いろいろな本を読み、論文をあさり。私なりの人生設計を、何回も描き直しました。いえ、今でも試行錯誤中です。そして、この過程の多くで。絶望したGIDさん、MtFさんが生命を絶っています

 

これは、私も例外ではありません。自殺未遂は何回もありますし、メンタルの苦しみから、うつや統合失調症までも発症してしまいました。

それでも、なんとか生きていますけど……。

手術はどこまで行いたいか

上記のように、トランスを始めましたが。これのゴールは人それぞれです。

ホルモン注射をずっと続けるだけの人もいますし、造膣や喉の手術を経て、戸籍上、完全な女性になる人もたくさんいます。

 

ではありますが、手術には当然お金がかかります。それも莫大な。これは、GIDの治療に於いて、保険が適応されていないからなんですね。

 

「保険適応を認めて!」

 

と、厚生労働省に意見書を提出した、セクシャルマイノリティの有志の方々が、ニュースとして取り上げられるほどですから、高額であることはお察しと思います(国内のクリニックなどでMtFのSRS=性別適合手術の場合、220万円ぐらいかかります)。

 

私のことを書きますと、そんなにたくさんのお金は貯められません。

 

生きるのに、お金がかかるんですもん。

 

なので将来的に、睾丸摘出手術と、余裕があれば豊胸手術を受けたいなあ、ぐらいが関の山。これにもお金は、かなりかかりますけどね。この目標は、いずれ変わるかもしれませんが、今現在はそう決意しています。

 

女の子とお付き合いしたことを通じて、私は。

「ここまでが女の子」

と言うゴールテープが、もっとわからなくなり、曖昧になっていきました。

 

でも、当然かもしれませんよね。個々人で女の子の定義があり、ひとくくりにすることは不可能ですから。

ご自分なりの「女の子」を目指して、進むよりないのです。その途中経過で、女の子とお付き合いすることは、大きなプラスになると思います。恋愛感情がなくっても、お友だちに女の子(純女さん)がいることは、とても心強いですからね。

 

私の中の「女の子」は、揺るぎませんが、社会の中での「女の子」は刻々と変化していきます。誰しもがそうです。ですから、後悔のない人生を歩むために。常に念頭に置いておきたいことだとも思っています。

 

長くなってしまいましたが、このような経験を知って頂くことで、少しでも何かを得てもらえれば、大変うれしいですし幸いです。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でGIDnaviをフォローしよう!

The following two tabs change content below.
越谷 朋美
5月7日生まれで、のんびりな牡牛座。GIDで、MtFです。注射開始から2年経過。精神にもたくさんの障害が。でも、女の子の身体を取り戻すべく、日々奮闘治療中。いつか心と一致した身体になれると、夢見がちテイストな毎日を送っています。パス度は、無きに等しい痛い人。ブログは気が向きましたらどうぞ。→女の子なんだよっ♂→♀

*記事は各ライター個人の体験談や考えでありGID当事者全員の考えを表しているものではありません。
またその内容によって特定のセクシャリティーを差別するものではありません。
*治療などの医療行為は医師にご相談ください。

GIDナビで読みたい、増えてほしい記事はなんですか?

View Results

Loading ... Loading ...

この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます

  • MtFの女性ホルモン注射と副作用

    GID-MtFにとって、ホルモン治療は無くてはならないものですよね。性自認の身体に近づけるために、注...

  • 苦しい!MtFの心の叫び

    GIDの方は、とかく精神疾患に陥りやすい、と言う話をよく耳にします。今回は、体験も交えて、どのような...

GID保険

人気コラム

  • 本日
  • 週間
  • 月間
  • 殿堂

本日の人気記事

週間の人気記事

月間の人気記事

殿堂の人気記事

おすすめのコラム

新着コラム

お知らせ

カテゴリー

気に入ったらシェアお願いします

うちのダンナがかわいすぎる
Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.