最近のFTM活動家の輝かしい功績

 
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熊野海斗

熊野海斗

戸籍変更・SRS(内摘・尿道延長)済の30代FTMゲイです。トランスとしての体験談に加え、FTMゲイという観点から、性指向の問題についても執筆していこうかと思います。

性同一性障害やLGBTという言葉が広まってきていますね。
最近、FTMであることをカミングアウトしても、相手にある程度の知識があって、詳しい説明が不要といったパターンが増えてきました。
このように認知度が上がってきたのも、活動家の人々のおかげといえるでしょう。
今回はFTM活動家の人々の広報活動を概観し、それによるFTMの認知の広まりについて考察します。

講演・研修

これらはFTM活動家の基本というか定番というか、よく見られるものですね。
自治体や企業、教育現場などで、LGBT研修・講演会などとして行われています。
講師はFTM当事者であっても、MTFやLGBについても幅広く深い知識を持っています。「LGBTとは何だろう?」「誰でもわかるLGBT入門」みたいな高度な専門書を読み、日々研鑽されていることと思います。
また、そのような講師を養成するセミナーを開く、「講師の講師」みたいな人もいます。そのセミナーの受講費は数十万円から百万円程度だそうです。
このような活動の結果、FTMというものが広く知られるようになりました。結果、FTMの中高生たちがネット上で顔を出してカミングアウトし、「LGBTへの理解」を訴えるようになりました。まさに将来の活動家候補をも養成しているといえるでしょう。

商品販売

レインボーグッズやアライグッズなどを販売する広報活動があります。
虹色のステッカーやバッジなどは、どこでも簡単に手に入るようになりました。レインボーというものが、LGBTを表すということも、そこそこ広まってきたのではないでしょうか。
しかし、レインボーという生ぬるいものではとどまらない商品もありました。
その一つが、なんと蔑称を商品名に用いた食品の販売です。まさにクィアなパフォーマティヴィティな脱構築なすばらしい戦略ですね。
ところが、このクィアな米、もう販売されていません。どうやらMTFについての蔑称を、FTMが用いたようです。さすがにそれは、自分ではなく他者を蔑称で呼ぶことになるので、差別であり他者への攻撃・侮辱であるといえます。
もう一度バトラーやデリダを読み直して、クィアな戦略を練り直した方がいいかもしれません。

直接的な行動

講演や商品販売など間接的手法ではなく、問題のあることに対処したり、困っている当事者の支援をするのが、やはり活動家としては一番意味のあることです。
孤独で悩んでいた当事者が、活動家の講演や研修を聞いて、「この人に相談してみよう」と思い、連絡を取ってくるかもしれません。そのときに力になれたなら、活動家としては社会への貢献を実感でき、嬉しいことでしょうね。
また、GID当事者が差別を受け、裁判をしているときに支援するのも意味があることです。その人個人の助けにもなるし、その裁判が、多くの当事者に影響することになるからです。裁判がニュースなどで取り上げられれば、GIDへの理解を広めるきっかけになるでしょう。
もちろん、裁判が和解して終わった後に、裁判の相手側に迷惑行為をしたとすれば、有害以外の何物でもありません。そんな活動家はいないとは思いますが、もしいたとすれば、直接迷惑をかけたスポーツクラブだけでなく、FTM全体、あるいはLGBT全体への迷惑行為となるでしょう(LGBTとは迷惑な人々というイメージを広めるから)。

おわりに

このように今までのFTM活動家のすばらしい功績を見ると、活動をする際には、社会をよくするためにはどのようにすればいいか、考えてから行動することが大事だとわかります。
そういうわけで、これからも活動家の皆さんには、自分の行動の意味を理解し、社会への影響を考えて「活動」してもらいたいと思います。
それでも失敗や間違ったことをすることも、人間ですからあります。そのときには批判に耳を傾け、間違ったことに対して対処してほしいですね。
仮に、当事者と社会との関係を良くしたい、という思いなのであれば、の話ですが。

 

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