

最新記事 by 越谷 朋美 (全て見る)
- MtFの私、女の子とお付き合いしたということ - 2017年7月15日
- MtFの治療前と後での肌事情 - 2017年6月24日
- MTFの初恋について - 2017年6月16日
- MtFの女性ホルモン注射と副作用 - 2017年6月13日
- 苦しい!MtFの心の叫び - 2017年6月4日
小学校の中学年になると、保健体育の授業で、身体精神の成長、具体的には第二次性徴について扱う単元があります。ここで指導案を作成するときに、「セクシャルマイノリティや、性同一性障害について、触れなければいけない」、と考えている教師は、年々増加してくれているようですが、実際に授業で扱えたかと言うと、それは一割ぐらいに落ちてしまうそうです。どうしてなのでしょうか。
まず考えられるのは、教師本人がそのような知識や体験がない、本人が学校で勉強する機会がなかったと言うことです。これは、研修会などにおいても同様でしょう。
次は、未だに根強い、「寝た子を起こすな論」です。性教育がそうですよね。昔は女の子の初経について、男子女子別々に授業をしていたり、「おしべとめしべ」と言った、オブラートに包みまくった表現で授業をしたり……。これでは、なんのことだかわかりません。
そして、「性の多様性など、認められない」と言う、凝り固まってしまっている思考が邪魔をしている。これも挙げられます。なんとも言えない、悲しい思考ではありますが。
私の大学の恩師は、人権について専門の講義やゼミを受け持っていますが、一年生の講義でやっと、LGBTsを扱っているのが現状、とのことでした。もちろん、必修科目ではなく選択科目でです。これを聞くだけでも、公教育の現場では、性同一性障害について学ぶことは難しいこと、今でも進歩がなかなか期待できないこと、そう考えられますね。
一方で、地域や家庭環境が反対していると言った現実もあります。「学校でそんなことを、わざわざ教えるな」などと言う意見です。たしかに性教育の現場で、家庭からコンドームを持って来させるとなど、やり過ぎと言っても仕方がない授業もあったようですが、それを差し引いても、地域家庭の協力がなければ、学校教育は成り立ちません。
では、私たち性同一性障害の当事者は、なにできるでしょう? それは、「積極的に教育現場に参加すること」だと思います。
別に、顔出しで。ましてや講演会を開いて、などと言うつもりはありません。市井市民の一意見でいいんです。例えば、知り合いに学校の先生がいたら、「最近の学校ってどんななの?」みたいに、ちょこっと話してみる。地域で学校の公開授業があったら、必ずアンケート用紙が配布されますから、匿名でいいので、そこに率直な意見を書き込む。そんな地道ですが草の根活動が、学校での性同一性障害について、変えていけるカギを握っているんじゃないでしょうか。
今回はこんなことを考えてみました。ではでは、また~。
最新情報をお届けします
Twitter でGIDnaviをフォローしよう!
Follow @gid_navi

最新記事 by 越谷 朋美 (全て見る)
- MtFの私、女の子とお付き合いしたということ - 2017年7月15日
- MtFの治療前と後での肌事情 - 2017年6月24日
- MTFの初恋について - 2017年6月16日
- MtFの女性ホルモン注射と副作用 - 2017年6月13日
- 苦しい!MtFの心の叫び - 2017年6月4日
*記事は各ライター個人の体験談や考えでありGID当事者全員の考えを表しているものではありません。
またその内容によって特定のセクシャリティーを差別するものではありません。
*治療などの医療行為は医師にご相談ください。
