2017年1月17日更新

FTM・FTX体験談

GID(性同一性障害)が学校生活で困る3つの理由

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熊野海斗

熊野海斗

戸籍変更・SRS(内摘・尿道延長)済の30代FTMゲイです。トランスとしての体験談に加え、FTMゲイという観点から、性指向の問題についても執筆していこうかと思います。

 性同一性障害、トランスジェンダーの児童・生徒は、学校生活でどのような困難を抱えているのでしょうか。FTM当事者という立場から、自身の体験談をもとに、代表的な3つの問題について書いていきます。

1、制服

 私は中学校のとき、約半年間、不登校を経験しました。その原因のほとんどを占めるのが、制服の問題です。

 私は物心ついたときから、女性という性に違和感を持っており、小学生時代はずっと中性的な服装をしていました。中学時代、性同一性障害という言葉を知り、自分を男だと認識し始めてからは、私服は男性用のものを着るようになります。

 それでも、学校では、女子用の制服を着用しなければなりません。中学2年生のとき、制服を着るということが苦痛、といった状況を通り越し、精神的不調が現れます。その結果、不登校に至りました。

 私は制服の問題というのを、単に学校生活上の困難とは考えていません。服装というのは、自分の心に大きな影響を与えるものです。たとえば、上下スウェットを着ているときと、スーツを着ているときとでは、緊張感や気分の張りが違いますよね。

 したがって、望まぬ性の、否定したい性の制服を着なければならないということは、自分の気持ちを、心を、生き方を、否定され、閉じ込められ、破壊されるような経験だと思うのです。

 最近では、望む性別の制服着用を認める学校も増えてきたようです。多くの子どもたちの心が守られることを願います。

2、トイレ

 トイレについては、MTFの問題がクローズアップされることが多いと思いますが、ここでは私がFTMであることから、FTMに注目してお話ししたいと思います。

 トイレが問題になるのは、学校においてカミングアウト、そしてそれに伴い、学校側の対応がなされる段階だと思います。つまり、FTMだとカミングアウトし、男子の制服着用が認められるなど、望む性での扱いが認められていくときです。そのときトイレはどうなるのか。男子の制服を着ているFTMが女子トイレに入れば、事情を知らない女子生徒にしてみれば、男子が女子トイレに入ってきたということで、脅威を感じる体験になり得ます。では、男子トイレに入ればよいのでしょうか。

 私は高校時代、多くの生徒と教員にカミングアウトし、男子トイレを使用する許可ももらいました。しかし、堂々と男子トイレを使用する、という状況ではありませんでした。できるだけトイレを我慢し、人があまり来ないトイレ、あまり来ない時間帯を見計らってトイレを使用していました。

 学校の許可をもらっているのだから、そんな必要はないと思われるかもしれません。問題は許可うんぬんではなく、恐怖という感情でした。その当時、私は身体的治療は何もしておらず、それを知っている男子生徒がたくさんいるのです。また、性同一性障害に対する偏見、嫌悪を持っている生徒がいることも推測されました。そんな中で、男子トイレに入ることは、暴力、特に性的暴力の被害に遭うのではないかという不安をともないます。

 したがって、トイレの問題については、本人の希望や周囲の状況などを考慮しつつ、多目的トイレや職員用トイレの使用など、柔軟で慎重な対応が望まれるでしょう。

3、宿泊行事における入浴

 修学旅行やキャンプなど、宿泊をともなう行事には、入浴という問題が生じてきます。小学生時代の修学旅行では、大浴場しかなく、つらかった思い出があります。手術をしてまで変えたいと思っているほどの身体を、自分の気持ちでは異性と感じる人々の前にさらけ出さなければいけないという状況。当事者でないと、その気持ちの理解はできないのかもしれません。しかし、「実感としての理解」ではなく、それはとても苦しくつらい経験なのだという「知識」を、当事者でない人たちには知ってもらえればと思います。

 幸いなことに、中学の修学旅行では大浴場と個室の風呂が選択でき、高校では個室のユニットバスしかありませんでした。

 そう考えると、この問題は、個室の入浴施設が利用できる場所に宿泊するということで、比較的容易に解決できる問題だと思います。高校時代、GIDではないけれど、大浴場での入浴には抵抗があるという女子生徒もいました。そう考えると、個人で入浴できるということは、GIDでない生徒にも、メリットがあることなのかもしれません。

 以上、代表的な学校生活上の困難について語ってみました。しかし、もちろんこれがすべてではないし、個人によって、苦しい点や希望する対応も異なります。学校の状況も様々でしょう。個々のケースにおいて、柔軟に対応し、最善の方法を見つけていくのが望ましいといえるでしょう。

 

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熊野海斗

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戸籍変更・SRS(内摘・尿道延長)済の30代FTMゲイです。トランスとしての体験談に加え、FTMゲイという観点から、性指向の問題についても執筆していこうかと思います。

*記事は各ライター個人の体験談や考えでありGID当事者全員の考えを表しているものではありません。
またその内容によって特定のセクシャリティーを差別するものではありません。
*治療などの医療行為は医師にご相談ください。

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