2017年5月23日更新

生活

職場での嫌な体験、SOGIハラを流行語大賞に

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熊野海斗

熊野海斗

戸籍変更・SRS(内摘・尿道延長)済の30代FTMゲイです。トランスとしての体験談に加え、FTMゲイという観点から、性指向の問題についても執筆していこうかと思います。

GIDであることで、職場で嫌な体験をする人もいます。カミングアウトを強要されたりとか、さらには嫌がらせを受けた結果自殺に追い込まれたという悲しい事件もありました。
私も嫌な経験をしたことがあります。それについて今回は書いていきましょう。

セクハラ的発言

建設現場の仕事をしていたときのことです。
私はFTMですが、そのときは一応女性として働いていました。治療も一切しておらず、何より改名もしておらず女性名だったので、男性としては通らないだろうと思っていました。
だけど見た目的にはパスしていたようで、面接を担当した上の人以外は、みんな最初私のことを男性だと思っていたようです。
ある日の現場にはトイレがなく、トイレに行きたい場合は少し離れたスーパーマーケットで借りることになっていました。でも男性の小の場合は、みんな近くの溝のような場所でしていました。
私がトイレに行ってくると言うと、「そこですればいい」と、その溝の場所を指定されました。その人は、私を男性だと思っていたからです。
「いや、その子は女の子だから無理だから」と、面接を担当した人が言いました。すると、他の人たちが私を初めて女性だと知って、驚いていました。
そこまでならいいのですが、「別に女でも立ってすればいい」とか、「たしかによく見れば、おっぱい出てるな」などと、身体のことについて、笑いながらいろいろ言われたのです。
結局、そこの職場はすぐにやめてしまいました。

女性扱いされること

宅配便の荷物の仕分けのアルバイトをしたときのことです。重いものも多く、他のアルバイトはみんな男性ばかりでした。このときも女性として入りました。
すると、重い荷物があると「女の子は、それは運ばなくていいよ」と言われます。
また、事務系の仕事が発生した場合、「それは女の子にやってもらおう」といつも私ばかりそちらに回されます。
たしかに、バイトの中で私が一番年が若く、体も小さくて力がなかったので、事務に回すというのは合理的な判断ではあります。でも、「女の子だから」という理由が不快でした。
それに、私が男性であったなら、同じ年齢で力が同程度でも、重い荷物を運ばされたと思います。
ただ、これらの体験は、会社の人たちに全く悪意はないことです。服装などから、男の子っぽい感じの女の子だとは思われていたでしょうが、誰も私がFTMだという事情は知らなかったわけなので。
このような経験から、女性として働くより、男性として働いた方が嫌な気持ちにならなくて済むと考え、それからは戸籍の性別は隠し、とくにFTMであることも伝えず、男性としてバイトをするようになります。

SOGIハラ

まず一つ言っておくと、男性として働き始めてからは、職場で自分の性のことに関して、嫌な思いをしたことは全くありません。基本的に誰にもGIDのことを言わないか、一部の人にのみ伝え(書類上の問題で戸籍の性別を伝えざるを得ない場合)他の人には言わないというパターンです。
ただし、「自分の」性のことという条件付きです。
私のことを言われるのではなく、「ホモ」や「オカマ」という言葉を使って、気持ち悪いと言ったり、笑いものにするという発言はよく見られました。たとえば、男性従業員に対し「お前ホモじゃないのか」とからかったり、「さっきの人、オカマじゃないか。気持ち悪い」と陰で笑ったりなどです。
そんなとき、私は嫌な気持ちになりましたが、注意することはできませんでした。そんなことをすれば、私自身がGIDであることも疑われかねません。また私はFTMゲイであり、そのときはゲイ男性のパートナーもいたので、ゲイであることを疑われるのも怖かったのです。
このように性自認や性的指向のことに関するハラスメントを、SOGIハラというようです。3月9日に行われたレインボー国会で決まり、流行語大賞を目指して頑張るそうです。ちなみにSOGIは、私は「ソギ」と読んでいたのですが、「ソジ」と読むことに、レインボー国会で正式に決定されました。

さいごに

SOGIハラという言葉が出てきましたが、私はそれはセクハラに含まれるものだと思っています。ただ、とくにセクシャルマイノリティのことに意識を向けるという目的では有効かもしれませんので、否定することもないでしょう。
しかし思うのは、セクシャルマイノリティに限らず、セクハラをなくしていくこと自体が大切だということです。SOGIハラという言葉は、単なるLGBTの政治利用や、流行りの一過性のものとして消費するのではなく、実際の職場の環境を改善できてこそ、意義を持つと思います。

 

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熊野海斗

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戸籍変更・SRS(内摘・尿道延長)済の30代FTMゲイです。トランスとしての体験談に加え、FTMゲイという観点から、性指向の問題についても執筆していこうかと思います。

*記事は各ライター個人の体験談や考えでありGID当事者全員の考えを表しているものではありません。
またその内容によって特定のセクシャリティーを差別するものではありません。
*治療などの医療行為は医師にご相談ください。

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