
川崎和真

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私の2人の子どもにとって、私は戸籍上でも父親です。
子どもが誕生した時に、役所に提出した出生届。
そして、問題なく受理された出生届は、1組の夫婦の努力と戦いによって、受理されたといって過言ではありません。
今回は、その「戸籍」について書いていきたいと思います。
まず知っていただきたい1件の裁判
平成25年に、FTM当事者が女性と結婚し、第三者から精子の提供を受けて子どもをもうけた事例による最高裁の裁判が行われ、その結果、子どもを嫡出子として認めるという判決が下りました。
ご存じの方も多いこの裁判は、東京家庭裁判所、高等裁判所では、申し立ては「却下」となり認められず、裁判は最高裁まで及び、その結果、大逆転で得た判決でした。
その裁判により変わったこと
申し立て人である前田良さん(ジー・アイ・ディーKAZOKUの会)を中心とした方々の行動により、FTM夫を持つ夫婦と、その子どもとの戸籍上の関係が変わりました。
判決が出た翌年26年に、法務省より全国の自治体へ、同じようなケースで産まれた子どもの出生届が提出された場合はこれを受理し「嫡出子」と認めるように、という通達が出されたのです。
この通達により、戸籍上に性別を変更した記録が残っていて血縁上の繋がりが無い事が明らかであるFTM当事者も、第三者からの精子提供によって子どもを授かり、その妻が出産した場合には、その子の「父」になれるようになりました。
私が出生届けを出した時
東京都内のとある役所でのケースです。
出産後の手続きに時間がかかると困るので、出産前に事前に役所に電話で問い合わせました。
・性同一性障害当事者で、戸籍を女性から男性へ変えて、女性と結婚したこと
・AIDで授かった子が、もうすぐ生まれること
を伝え、私を父としてこの子の出生届を受理してもらえるかどうかを確認してもらいました。
すると、このケースは初めてということでしたので、確認後に連絡するということで連絡先を伝え、後日「問題ない」と連絡がありました。
そして、出産後に出生届を持って、役所へ行くと、所要時間は10分かからず。
何かを確認されることも、必要以上に待たされることもなく、受理されました。
その他の手続き
出生届を担当窓口へ提出、受理された後は、そのまま役所内の別の窓口で乳幼児医療費助成の手続きと児童手当の申請を行いました。
また、健康保険は、会社で社会保険に加入していますので、職場へ母子手帳を提出して、手続きをしてもらいましたが、どの手続き、申請でも特に問題は起きませんでした。
まとめ
FTM当事者が戸籍上も「父親」になれることは、今は当たり前のようになってきていますが、その当たり前は、前田さんの戦いによって得られたものだと知っておく必要があると思っています。
この場を借りてお礼を言わせていただきます。前田さん、ありがとうございました。
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*記事は各ライター個人の体験談や考えでありGID当事者全員の考えを表しているものではありません。
またその内容によって特定のセクシャリティーを差別するものではありません。
*治療などの医療行為は医師にご相談ください。
