2017年1月24日更新

FTM・FTX体験談

日本とタイの病院、どっちで手術をすればいいの?それぞれのメリット・デメリット

GIDの手術をする場所は、大きく分けて2つの選択肢があります。それは日本の病院か、タイの病院かということです。さらに言えば、日本にはもう一つの下位区分、大学病院か、クリニックか、という選択肢があります。したがって3つの選択肢といえるでしょう。
私自身は、胸オペ、内摘(尿道延長含む)ともに日本の大学病院で受けました。しかし、日本で受けることを決断するまでには、タイで行うことも考慮に入れ、実際に検討もしていました。さらに、日本でも、クリニックで受けることを最初は考え、予約まで取っていました。
その経験から、タイ、国内大学病院、国内クリニックで手術する場合のメリット・デメリットを比較してみたいと思います

1、タイ

メリット

安くて早くて件数が多い

これに尽きます。アテンド料金、交通費を考慮に入れても、日本でするより安くなります。
また、手術の件数が多いということは、早く手術が受けられるということでもあり、医師の技術も高いということを意味します。
知人にも、タイで胸オペ・内摘をされた方はいますが、ほぼ満足度は高いようです。

デメリット

遠くて不安

遠いのは間違いないでしょう。飛行機利用ということで、術後の移動が大変です。また、付き添いの方が来るのも国内に比べて難しくなります。事前に情報を得るのも、やはり国内に比べて困難といえます。
そこで、アテンド会社を利用するという考えが出るのですが。悪質なアテンドによる被害、貧困ビジネスの問題が指摘されてもいます。これを根本的に解決するには、国内での医療や法律の整備、GIDへの就労・貧困対策といった問題への対処が必要で、すぐにどうにかなるものではありません。今、現実に治療が必要な当事者にできることは、良いアテンド、悪質なアテンドの情報を共有していくことでしょう。

2、日本のクリニック

メリット

近くて早い

国内で、全国各地にあるので、近い施設を選ぶことが可能です。
また、大学病院のように、厳格なガイドラインで長期にわたる通院を求められることもなく、待ち期間も比較的少なめです。
良くも悪くも、容易に手術までこぎつけられます。手術ができることは前提で、それに向かって事務的に、必要な手順を踏んでいきます。急いでいるから早く手術がしたいなどの要望を告げれば、診察のペースなども考慮してくれます。手術の予約もそれほど待たずに取れます。

デメリット

安全性のリスク

私がクリニックでの予約を取りやめ、大学病院に変えたのはこれが理由です。
合併症が起きなければ、おそらく問題はないでしょう。
しかし合併症が起きたとき、そこは対処できますか。どのような対処ができますか。提携している病院はあるか、それはどこなのか。「提携」というのは、法的に定められたものでなく、病院同士の契約になりますが、それはどのような契約なのか。ベッドを空けてもらっていて、必ず受け入れてもらえるのか。それとも満床の場合は断られる可能性もあるのか。これを必ず確認してください。
知人では、クリニックで受けた方もいて、合併症もなく満足しておられます。ただ、胸オペ、内摘という比較的容易な手術です。
私は尿道延長を受け、合併症を発症しました。このとき、すぐ対応できる大学病院でなければどうなっていたのか、という心配があります。
とくに、尿道延長から陰茎形成、膣閉鎖、ミニペニス形成など、困難な手術の場合は十分に注意した方がよさそうです。

3、日本の大学病院

メリット

安心と安全

大学病院のメリットはこれです。
安全というのは、手術や合併症に対する対処に関してです。
安心というのは、精神科の医師によるサポートがあり、SRSの不安、GIDに関する苦しみ、併発している精神的問題について相談できるということです。
また、クリニックでは入院無し、1泊入院のみでホテルに移動、など一般的に入院期間が短いですが、大学病院では入院日数が長めです。
もちろん、手術に絶対の安全はなく、やはりリスクを考えておくことは必要です。

デメリット

高くて遅い

厳格なガイドラインに沿っているため、治療の進行は遅く、定められた規定に対し融通はききません。
たとえば、すでに別の病院でホルモン治療を開始して何年も経っていたとしても、まずホルモン治療の許可を取ることから始まります。そして、あまり意味がないとしても、ホルモン治療の効果の検査など、初めてホルモン治療を受けた人と同様に受ける必要があります。
待ち期間が長いのも特徴です。手術ができる件数が少なく、許可が下りてからも、何年も待つのは普通です。手術だけでなく、診察の予約が取りにくい科もあります。
費用については、タイに比べたら手術料金そのものが高いといえますし、それまでの交通費を含めた通院費用もかかることを、考慮する必要があります。

おわりに

以上のように、どこを選んでもメリットとデメリットがあり、一概にどこが良いとは言えません。
自分が重視するポイントはどこか、経済的状況、手術できる時期または待てる期間、受ける手術の内容など、総合的に考えて判断する必要があります。
重要なことは、できるだけ幅広く情報を集めることです。一つの医療機関、一人の経験者、一つのアテンド会社の話を鵜呑みにせず、複数の情報を比較検討することをおすすめします。

 

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熊野海斗

熊野海斗

戸籍変更・SRS(内摘・尿道延長)済の30代FTMゲイです。トランスとしての体験談に加え、FTMゲイという観点から、性指向の問題についても執筆していこうかと思います。

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