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もし、あなたが。職場の上司・役員などから、GIDのカミングアウトを強要されたとしたら……。あまり考えたくない、でも、考えないといけないことですので。このことについて、法律的なことにも触れながら、考えていきたいと思います。
『労働者が、雇用者から「全職員の前で、カミングアウトするように」と強要されて。苦しい思いをしながらカミングアウト。のちに、損害賠償を求める裁判を起こした』
これは、実際にあった事例です。
普通に考えても、行き過ぎたことですよね。隠しておきたいことを打ち明ける。しかも、全職員の前で、とは。
それでは、法律面も交えて考えてみましょう。
GIDは高度な私的情報
「GIDは極めて高度な私的情報であり、原則として、意に反して公表を強いることは、許されないと言うべき」
「仮に公表を求めることが許されるとしても、それは公表以外に適切な手段がないなど、極めて例外的な場合に限られる」
損害賠償の対象になる?
「労働者の意に反して、全従業員の前で、自身がGIDである事実を説明させたのであれば、それは人格権などを理由に損害賠償の対象になる可能性がある」
上記3点は、労働問題に詳しい弁護士の意見です。法律に詳しくない私ですが(スミマセン……)、全くもってその通りだ、と考えます。
必要であれば、私で言えばカミングアウトはすると思いますし、今までもしてここまで生きてきました。ですが、強要されたら。従いたくはないですよね。しかもそれを、全職員の前でしなければいけない、などとは。
この事例はまさに、今現在のGIDの権利や立場――位置づけ――を、顕著にしているのではないでしょうか。
GIDについて、以前よりは社会での理解が広がってきたように感じますが、まだまだ偏見の多い疾病、と言うか障害ですよね。ですから、ひた隠しにしている人もいるし、「パス度」を考えなければいけないし。そもそも、「パス度」と言う言葉があること自体、偏見や差別が社会にまだ根強くある、証明にもなります。
理想論を言わせてもらえれば。
「ただそこにいる・ただそこにある。それをそっと、認めて欲しい」
と言った思いで、私はいっぱいです。
周囲の人、所属しているコミューン、広義の社会に。いちいち言わなくてはいけないのでしょうか? 頭を下げて回らなくてはいけないのでしょうか?
そんなことないですよね。
私たちだって、生きています。生きていていいんです。
この事例が、GIDを始めとしたあらゆる障害や差別について。考える機会になればいいな。そう強く、私は感じました。
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*記事は各ライター個人の体験談や考えでありGID当事者全員の考えを表しているものではありません。
またその内容によって特定のセクシャリティーを差別するものではありません。
*治療などの医療行為は医師にご相談ください。
